Precipitate model in Al-Mg-Si alloy
tags: research, paper, alloy Structure Determination of Mg5Si6 Particles in Al by Dynamic Electron Diffraction Studies, by H. W. Zandbergen, S. J. Andersen, J. Jansen, Science 277 (1997) 1221
精密な実験からbeta''-precipitateの原子構造を解明したという論文.
beta''相はGPゾーンとともにAl-Mg-Siのprecipitate hardening(析出硬化)に大きく寄与するものと知られていたが,その構造の詳細が分かっていなかった.その原因は,beta''相が非常に小さい(4nm x 4nm x 50nm程度)ため実験で構造を観察することが難しかった.
この実験では,HRTEM (high resolution transmission electron microscope)のexit waveを利用したことと,electron diffractionとdynamic diffractionを考慮した最小二乗法フィッティングによる構造解析でかなりの精度で原子構造を観測することに成功した.
beta''相の原子構造は,Fig.3に出ている,Mg5Si6という構造. Binary alloyとしては,Mg2Siが最安定構造で,Mg5Si6は安定構造ではないが,Al相の中に小さなサイズで存在する際には安定となるのだろう.
後の研究 で純粋なMg5Si6相ではなく,Al相との境界付近はAlがいくつか置換された構造となっているのが安定とのこと.